呼吸器疾患

肺や気管を中心とした呼吸にかかわる臓器を診療いたします。主な疾患として、「肺炎」や「ぜんそく」「気管支炎」などが挙げられます。また、毎年冬に流行するインフルエンザなど、日々の暮らしの中で罹患しやすく、またご家族や周りの人にも感染拡大する危険性がありますので、お早めに受診をお願いいたします。

呼吸器の主な疾患

  • 風邪
  • インフルエンザ
  • 新型コロナウイルス感染症
  • 喘息
  • 肺気腫
  • 気管支拡張症
  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  • など

風邪

風邪(かぜ)は、主に風邪ウイルスまたは細菌によって引き起こされる病気で、鼻・のどなどの上気道における炎症が主な特徴です。一般的な症状は鼻水、鼻づまり、喉の痛み、くしゃみ、咳などです。風邪は通常、軽い症状で終わることが多いですが、体力の低下や免疫力の低下している人では、重症化することもあります。

・診断方法
風邪の診断は、主に症状やお客様への問診に基づいて行われます。症状の経過を見ながら適切な対症療法が行われることが一般的です。

・治療方法
以下は一般的な対症療法のアプローチです。

  1. 1.休養・栄養: 十分な睡眠・休息・ビタミンCをとり、体力を回復させることが重要です。
  2. 2.水分補給: 風邪の症状により水分が不足しがちなため、十分な水分を摂ることが必要です。
  3. 3.解熱剤・鎮咳薬・去痰薬: 解熱剤は熱を下げるために、鎮咳薬は咳を抑えるために、去痰薬は痰を溶かすために使用されます。
  4. 4.喉の痛みやのどの炎症には、うがい薬や消炎鎮痛薬を使用することがあります。
  5. 5.鼻づまりや鼻水に対しては、抗ヒスタミン薬・点鼻薬を使用することがあります。

風邪の症状がある場合は、高屋クリニックまでご相談ください。
また、風邪の予防には、手洗いやマスクの着用、部屋の換気、ビタミンC摂取や運動による免疫力向上が役立つことがあります。

インフルエンザ

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる急性の感染症です。主な症状は高熱・全身倦怠感・頭痛・喉の痛み・筋肉痛・咳などです。風邪と似た症状を来しますが、風邪よりも進行が速く、重篤な症状が現れ、周囲に感染が広がりやすいことが特徴的です。

・診断方法
インフルエンザの診断には主に以下の方法があります。
インフルエンザウイルス抗原迅速検査:鼻やのどの粘液を採取して、インフルエンザウイルスの抗原を検出する迅速検査を行います。検査結果は約15分と比較的速く得られます。

・治療方法
インフルエンザの治療には主に対症療法と抗ウイルス薬が用いられます。

  1. 1.抗ウイルス薬:抗ウイルス薬(オセルタミビル、ザナミビルなど)は、感染が早期に認識された場合に用いられます。これらの薬は、ウイルスの増殖を抑える効果があるため、症状の軽減や合併症の予防に寄与します。
  2. 2.対症療法:解熱剤や鎮咳薬を用いて、熱や咳などの症状を軽減します。また、十分な休息と水分補給も重要です。

予防措置として、インフルエンザワクチンの接種が推奨されます。インフルエンザは感染力が強いため、予防対策をしっかり行うことが重要です。
インフルエンザの症状は重篤化したり、特に高齢者や基礎疾患を持つ人は合併症を起こすリスクが高いため、早めに高屋クリニックまでご相談ください。

新型コロナ
ウイルス感染症

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、主に呼吸器系・消化器系・脳神経系・血管系に影響を及ぼし、軽い風邪症状から重篤な肺炎や多臓器障害・味覚障害・嗅覚障害を引き起こすことがあります。

・診断方法
COVID-19の診断には主に2つの方法があります。

  1. 1.抗原検査:ウイルスの表面にある特定のタンパク質(抗原)を検出する検査で、PCR検査よりも迅速に結果が判明する利点がありますが、感度がやや低く、新型コロナウイルス感染症と診断された方のうち、抗原検査が陽性となった方は、約50%です。
  2. 2.PCR検査(Polymerase Chain Reaction test):ウイルスの遺伝子を検出する検査で、鼻や喉の粘液から採取した試料を用いて行います。この検査により、ウイルスの存在を確定することができます。

・治療方法
COVID-19の治療は、症状の軽減や合併症の予防が主な目的となります。治療方法は感染の程度やお客様の症状の重さによって異なりますが、一般的な治療のアプローチには以下のようなものがあります。

  1. 1.軽症から中等症のお客様:対症療法(消炎鎮痛薬・咳止め薬・去痰薬・消毒うがい薬・のど粘膜修復薬など)、希望される方には抗ウイルス薬を処方致します。
  2. 2.重症のお客様:入院のうえ、酸素療法や人工呼吸器の使用、抗ウイルス薬や免疫コントロールの点滴治療が必要となることがありますので、総合病院受診をお勧めしています。

予防として、感染拡大を防ぐために以下の対策が推奨されます。

  1. 1.マスクの着用
  2. 2.目・口・鼻を触る直前および食前の手洗いと手指のアルコール消毒の徹底
  3. 3.密閉・密集・密接を避ける
  4. 4.健康管理とビタミンC摂取・運動などによる免疫力の向上

COVID-19に感染した場合や疑わしい症状がある場合は、高屋クリニックまでお早めにご相談ください。

気管支喘息

気道がせまくなることにより、咳や息をする度に胸の中で笛のような音が出て、息苦しいことがあります。

・診断方法
症状の聴取と診察を行います。

・治療方法
喘息の治療には、以下のようなアプローチがあります。

  1. 1.喘息コントローラー薬:喘息の症状を予防するために、日常的に使用される薬剤です。ステロイド吸入薬や長時間作用型β2刺激薬(気管支拡張薬)などが含まれます。
  2. 2.救急薬(リリーフ薬):喘息の発作時に気道を迅速に拡張するための薬剤です。短時間作用型β2刺激薬(気管支拡張薬)が一般的です。
  3. 3.きっかけの回避:喘息の発作を引き起こす可能性のある刺激物(アレルゲン、喫煙、冷たい空気など)を回避することが重要です。
  4. 4.喘息管理計画:喘息発作の予防や対処方法について計画を立て、お客様が自己管理できるように指導します。

気管支喘息の疑わしい症状がある場合は、高屋クリニックまでご相談ください。

肺気腫

肺気腫(はいきしゅ)は、主に喫煙や長期間の肺に対する刺激によって引き起こされる慢性的な呼吸器疾患です。肺の一部やすべての部分で空気の排出が難しくなり、肺胞が異常に拡張してしまう状態により、肺の弾力性が低下、これによって肺の換気が悪化し、酸素の取り込みが困難になり、ちょっとした動作で息切れ・咳・痰などの症状が見られます。

・診断方法
肺気腫の診断には、主に以下の方法があります。

  1. 1.症状の聴取と病状評価:医師による症状や病歴の評価が行われます。特に喫煙の有無や長期間の肺に対する刺激を経験したかどうかが重要な情報となります。
  2. 2.胸部X線検査:肺気腫の程度や影響範囲を評価します。

・治療方法
肺気腫の治療には、主に以下のアプローチがあります。

  1. 1.禁煙:もし喫煙している場合は、禁煙することが重要です。また、他の方が喫煙している際の煙や喫煙者の喫煙直後の息を吸ってしまう二次喫煙を避けることも大切です。
  2. 2.気道拡張薬:気道拡張薬の吸入で呼吸を改善します。
  3. 3.酸素療法:重篤な場合や低酸素症状がある場合には、酸素療法が必要になることがあります。
  4. 4.呼吸リハビリテーション:特定の運動や呼吸法のトレーニングを行い、肺の機能を改善するリハビリテーションが必要となることがあります。

肺気腫は進行性の疾患であり、完全な治癒は難しいですが、適切な治療と生活習慣の改善によって症状を軽減したり、進行を遅らせることができる場合があります。早期の診断と適切な治療を行うことが重要です。高屋クリニックまでご相談ください。

気管支拡張症

気管支拡張症(きかんしかくちょうしょう)は、気管支が慢性的に拡張する病態を指します。これにより、気管支の壁が弱くなり、気管支の機能が低下して呼吸が困難になることがあります。気管支拡張症は、気道の慢性的な炎症によって引き起こされることが一般的で、特に喫煙者や空気汚染にさらされる人に発症しやすい傾向があります。

・診断方法
気管支拡張症の診断には主に以下の方法があります。

  1. 1.詳細な評価と症状の聴取:症状や病歴の評価が行われます。特に喫煙の有無や家族歴などが重要な情報となります。
  2. 2.胸部X線検査:肺や気道の状態を評価するために、胸部X線検査を行います。

・治療方法
気管支拡張症の治療には、主に以下のアプローチがあります。

  1. 1.禁煙:喫煙によって気道の炎症が悪化するため、喫煙を避けることが治療の基本です。もし喫煙している場合は、禁煙することが重要です。
  2. 2.気道拡張薬:気道拡張薬を吸入することにより、気管支を拡張して呼吸を楽にすることができます。
  3. 3.ステロイド薬:ステロイド(抗炎症薬)を吸入することにより、気道の炎症を抑えます。
  4. 4.酸素療法:重篤な場合で息切れが強く、低酸素症状がある場合には、酸素療法が必要になることがあります。

気管支拡張症は進行性の疾患であり、完全な治癒は難しいですが、適切な治療と生活習慣の改善によって症状を軽減することができる場合があります。早期の診断と適切な治療を行うことが重要です。高屋クリニックまでご相談ください。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease, COPD)は、慢性的な肺の炎症と気道の狭窄によって引き起こされる呼吸器疾患の総称です。主に喫煙や空気汚染など長期的な肺に対する刺激により、肺機能が徐々に低下していく疾患です。

・診断方法
COPDの診断には主に以下の方法があります。

  1. 1.詳細な評価と症状の聴取:症状や病歴の評価が行われます。特に喫煙の有無や長期的な肺に対するストレスを経験したかどうかが重要な情報となります。
  2. 2.胸部X線検査:肺の状態や気道の状態を評価するために行います。

・治療方法
COPDの治療には、主に以下のアプローチがあります。

  1. 1.禁煙:喫煙によって気道の炎症が悪化するため、喫煙を避けることが治療の基本です。もし喫煙している場合は、禁煙することが重要です。
  2. 2.気道拡張薬:気道拡張薬の吸入により気道を拡張して呼吸を楽にできます。長時間作用型β2刺激薬や抗コリン薬が一般的です。
  3. 3.ステロイド薬:気道の炎症を抑えるために、ステロイドの吸入を使用することがあります。
  4. 4.酸素療法:重篤な場合で息切れなどの低酸素症状がある場合には、酸素療法が必要になることがあります。
  5. 5.呼吸リハビリテーション:運動や呼吸法のトレーニングを行い、肺の機能を改善するリハビリテーションを行うことがあります。

COPDは進行性の疾患であり、完全な治癒は難しいですが、適切な治療と生活習慣の改善によって症状を軽減することができる場合があります。早期の診断と適切な治療を行うことが重要です。高屋クリニックまでご相談ください。

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